所有欲の正体を明らかにせよ!
2021年10月20日
先日、3年に一度開催される
東京美術倶楽部の
東美特別展に行ってきました。
昨年コロナで延期となり、
満を待しての開催でした。
秋は展覧会が多く、
今年はカタログ制作や
ウェブサイト制作が重なり
展覧会にも足を運べずにいたので
一級品を一堂に拝見できる
見応えのあるフェアで、
充実した時間を過ごせました。
今回は絵画が多かったことも
楽しめた要素の1つでしたが、
それぞれのブースに
こだわりを感じたことで
より一層お店の趣向が
印象に残りました。
美術作品は、
それ単体で自立することが
理想ではありますが、
作品に寄り添うように
作品の背景や思いを伝える工夫によって
お客様もその「時」の流れに身を置き、
自らもその流れに参加してみたい
と思うのではないでしょうか。
私は、「売る」という行為は、
「お客様が商品を手にした後の
未来を提供すること」
だと思っています。
美術品は、どんなに大金を積んで、
所有したとしても
完全に自分の「もの」にはならない
そんな、つかみどころのない「何か」と
束の間の一時を過ごして
雄大な「時」を感じながら、
歴史の一コマに関わったという充足感を得る
それが美術品を所有することなのかもしれません。
ただ「作品が素晴らしい」では、
所有したい理由にはならないですよね?
美術館で鑑賞すればいいわけですから。
だとしたらお客様は、
作品を通して、その「充足感」に
お金を払っているのではないでしょうか。
そして、その価値をいかにして
上げるかによって
お客様が作品を所有する
満足度も変わってきます。
時には、
相場以上の金額を払ってでも欲しい、
と思うのです。
例えそれが同じ作品だとしても。
もちろん、所有欲の正体は
人様々ですが、
お客様にとって、
何が最高の未来なのか
その所有欲は一体どこから来ているのか?
考えてみると、発するメッセージが
変わってきますよ。