古九谷開眼 パート2
2021年6月08日
日本陶磁器を専門店である前坂晴天堂さんに、「割れていてもいいので、勉強のために1つ古九谷が欲しいんですけど・・・」とお願いしてから少しして、奥様からご連絡があり、可愛らしい古九谷の皿を手に入れることができました。
傷もなく、素朴な柘榴の絵が気に入っています。
とはいえ、小さくてもいいので、「ザ・古九谷」という感じの繊細な絵付けの皿もそのうち欲しいな、と思っています。
まだ高いものは買えませんが、毎日目にするものは愛着が湧きます。
このお皿は、見る度に去来さんや前坂さんを思い出す、将来思い出深い皿になると思います。
そして、つくづく思うのは、それらがどれだけ私たちに影響しているか、ということです。
目が慣れてくると、もっと良いものが欲しくなる。笑。
これこそ最強の顧客教育ですね。
有名なアメリカのマーケティングコンサルタントであるダン・ケネディが
「セールスを先送りすることで信頼性の芽が出て、育まれていく」
と言っていたのを思い出しました。
「その結果、相手の持つ抵抗感は、料金に対する抵抗感という重要な要素も含めて全て、和らげられるのだ。即ち、価格弾力性が大きくなる。おかげで、売り手にとっては販売が、買い手にとっては購入がストレスの少ない行動となり、クチコミや紹介がより促され、広告やマーケティングのコスト軽減につながり、採算性はアップする。」
と続きます。
(「ダン・S・ケネディの妥協なく売るためのブランディング戦術」ダイレクト出版)
これは高額な商品を扱う美術商さんなら、実感されていることだと思います。
顧客の信頼が得られると、時が来ればセールスはほとんど必要がなくなります。
そう、次はもっと良いものが欲しいし、お財布も緩みます・・・。笑
もちろん、最初の一歩を踏み出してもらうことが難しいので、私たちは価格を下げることを真っ先に行いがちです。
一番簡単ですし、こちらも次回は・・・と期待して割引をするのですが、果たしてそれは本当にお客様のためになるのか、という観点でも一度考えたいと思うのです。
ダン・ケネディが言う「セールスの先送り原則」は、
どうすれば値を下げずに、あるいは、価値を下げずに最初の一歩を踏み出してもらうことができるのか、を考えさせられます。
とはいえ、新たな価値を創造するのは難しいですよね。
画廊や美術店は敷居を下げたら、客層が悪くなる、と言う方がいらっしゃいます。
ですが、そうではなく、お客様にこちらに上がってきてもらうにはどうしたらよいのか、を考えるべきではないでしょうか?
こちらが敷居を下げるというのは、お客様目線なのでしょうか?
お客様の意識として敷居が下がった、と思ってもらうことができれば、お客様が一つ階段を登るお手伝いができた、ということになるのではないでしょうか?